Pyrenean Mastiff's Standard  ~ピレニアン・マスティフの基本体形~

原産地 スペイン
用途 護衛犬、防衛権。ピレニアン・マスティフは以前、
害獣からの防衛のために用いられ、特に狼やクマなどに対して用いられていた。
この犬種はたいへん訓練を入れやすいため、今日、農園やその所有者の申し分ない、
護衛犬として活躍している。
FCI分類 グループ2 ピンシャー&シュナウザー、モロシアン犬種、
スイス・マウンテン・ドッグ&スイス・キャトル・ドッグ、
関連犬種セクション2 モロシアン犬種
沿革 ピレニアン・マスティフはスペインのアンゴラからナヴァラにかけて
広がるピレネーの山奥で発展した。かつてはナヴァラ・マスティフと呼ばれていた。
あわや、絶滅という危機を乗り越えて近年新たな注目をあびているが、今なお稀少犬である。
一般外貌 たいへん大きな犬で、中庸なプロポーションであり、
重々しい印象や、鈍い印象を与えてはならいない。
調和が取れ、断然力強く、筋肉質で、骨は強健である。被毛は適度に長い。
重要な比率 全体の均整が取れており、調和している。
  • 体調は体高は、僅かに長い。
  • スカルとマズルの比は5:4である。
  • スカルの幅はスカルの長さと等しいか、それより僅かに長い。
  • 体高と胸囲の比はほぼ 7 : 10 である。
習性/性格 優しく従順で、気高く、たいへん知的である。
同時に、見知らぬ人にも物怖じせず、決して逃げ出すようなことはない。
他の犬に対しても気立てが良く、自分の方が力があることを知っている。
戦いにおいては偉大な力を見せ、その際には何百年にも渡って狼と戦ってきたことにより
得た技量を見せる。ほえ声は重々しく低い。表情は知的である。
頭部(ヘッド)

大きく、力強く、適度な長さである。
スカルの長さとマズルの長さとの比は 5 : 4 である。
スカルとマズルのラインは適度に逸れているが、平行に近い傾向がある。
上望すると、スカルとマズルは長く、形はほぼ等しく、マズルの付け根と
こめかみの幅はほとんど相違がない。側望すると、頭部は深さがあるが、膨らんではいない。

頭蓋部 (クラニアル・リージョン)   
スカル
幅広で、力強く、側望すると僅かに膨らんでいる。
スカルの幅は、スカルの長さと比べて等しいか僅かに幅広である。後頭骨は明瞭である。

ストップ
ゆるやかで、ほとんど目立たないが、明瞭である。


顔 部 (フェイシャル・リージョン)
鼻(ノーズ)
黒く、湿っており、大きく、幅広である。

マズル
側望すると、鼻梁は真っ直ぐである。上望すると、マズルは僅かに三角形で、
付け根から鼻にかけて叙所に細かくなっている。先端は尖ってはいない。

唇(リップス)
上唇はたるむことなく、下唇を覆っている。
下唇は明瞭な口角を形成している。
粘膜はブラックである。

顎/歯(ジョーズ/ティース)
シザーズバイト。歯は白く、強く、健全である。犬歯は大きく、長く、尖っており、獲物を捕らえられるよう、互いによく咬み合っている。臼歯は大きく、強い。切歯はむしろ小さい。前臼歯は全てなければならない。口蓋はブラックで、うねは明瞭である。

目 (アイズ)
小さく、アーモンド形で、ヘーゼルである。ダークなのが好ましい。
まなざしは注意深く、気高く、優しく、利口だが、的に対してはたいへん厳しい。
眼瞼は色素はブラック。犬が注意を払っているときには、眼瞼がぴったりと
なじんでいるのが好ましい。犬が静止しているときには、下眼瞼が僅かに緩み、
結膜が僅かに見えるのがこの犬種の特徴である。

耳 (イヤーズ)
中くらいの大きさで、垂れており、三角形で、平らである。
目の高さより上に付いている。静止しているときには、頬に沿って垂れている。
犬が注意を払っているときには、顔から明らかにはなれ、後ろの 3分の1 は僅かに
持ち上げられる。断耳は施してはならない。

頸(ネック) 先にきった円錐のような形をしており、幅広く、頑丈で、筋肉質で、柔軟である。
皮膚は厚く、僅かにゆるい。明瞭なダブル・デューラップであるが、過度ではない。
ボディ

トップライン
立姿時も運動時も真っ直ぐで、水平である。

キ甲 (ウィザード
たいへん明瞭である。

背(バック)
力強く、筋肉質である。

尻 (クループ)
傾斜は水平線に対しておおよそ45度である。
尻の高さは体高と等しい。

胸 (チェスト)
幅広く、深く、筋肉質で、力強い。胸骨端は顕著である。
肋間は広く、張っており、扁平ではない。体高と胸囲の比は、ほぼ 7 : 10 である。

腹及びひばら(ベリー&フランク)
腹は適度に上がっており、ひばらは深く、たいへん幅広い。

尾(テイル)

付け根は太く、中くらいの高さに付いている。頑丈で、柔軟である。
尾の被毛は密生し、たいへん長く、柔らかく、プルームを形成している。
静止している時には、低く垂れ、完全に飛節まで達している。
先端の3分の1は常に僅かにカーブしている。運動時や興奮時は、
サーベル状に掲げられ、先端は明瞭に和状になっているが、
全体的に巻いていたり、尻に寝ていたりしない。

四肢(リムズ)

前 肢 (フォアクォーターズ)

一般外貌(ジェネラル・インプレッション)
前望すると、完全に垂直で、真っ直ぐで、平行である。筋肉質で、筋肉と腱は明瞭である。前腕の長さはパスターンの長さの3倍である。骨はたいへん頑丈で、パスターンは力強い。

肩 (ショルダーズ)
たいへん筋肉質である、肩甲骨は傾斜しており、前腕よりも長い。
上腕と肩甲骨の角度はほぼ100度である。

上腕(アッパー・アーム)
たいへん頑丈である。

肘 (エルボーズ)
上腕と前腕の角度は、ほぼ125度である。

前腕(フォアアーム)
骨は頑丈で、真っ直ぐで、力強い。

中手(パスターン)(メタカーパス)
側望すると、ほとんど傾斜せず、前腕から一続きになっているように見える。

前足(フロント・フィート)
猫足である。指趾は緊握し、力強く、よくアーチしている。爪とパットは頑丈で、固い。指間膜は適度に発達し、被毛が生えている。


後 肢 (ハインドクォーターズ

大腿 (アッパー・サイ)
力強く、筋肉質である。股関節の角度は約100度である。

膝 (スタイフル)
大腿と下腿の角度は約120度である。

下腿(アッパー・サイ)
長く、筋肉質、骨は強い。

飛節 (ホック)
角度は大きく開いており、約130度である。

中足 (リア・パスターン) (メタターサス)
デュークローはシングルかダブルで、ある場合はない場合もあるが、切除も許容される。
同じクオリティーの場合、ダブル・デュークローの方が好ましい。

後足(ハインド・フィート)
猫足でややオーバルである。前足と比べると僅かに長い。

歩様(ゲイト/ムーブメント) 好ましい歩様はトロットで、調和が取れ、力強く、優雅で、
フラビングの傾向はない。側対歩はしない。
皮膚(スキン) 弾力があり、厚く、ピンク色で、ダークな斑がある。
全ての粘膜はブラックでなければならない。
被毛(コート)

毛 (ヘアー)
密で、厚く、適度の長さである。トップラインの中間あたりで測ったときの
理想的な被毛の長さは 6 cmから 9 cmである。被毛は肩、頸、下腹部、脚の後部、
尾の部分が長い。プルームの質はボディ全体の被毛と比べてそれほど剛毛ではない。
被毛は剛毛でなければならず、ウーリーであってはならない。

毛色 (カラー)
地色はホワイトで、常に明瞭なマスクが見られる。時折、マスクと同色の、形の不規則な
明瞭な斑が見られる。トライカラー、或いはホワイトの淡色は好ましくない。
マズル、尾の先端、脚の下部は常にホワイトである。マスクは明瞭でなければならない。
斑はアウトラインが明瞭な方が好ましい。被毛の付け根は明るいほど好ましく、
ホワイトが理想である。最も理想的な色は好ましい順に
ピュア・ホワイトかスノー・ホワイトに適度なグレーの斑があるもの、
はっきりとしたゴールデン・イエローの斑のあるもの、ブラウンの斑のあるもの、
ブラックの斑があるもの、ブラックの斑のあるもの、サンディーの斑の入っているもの、
マーブルの斑の入っているものである。レッドの斑の入っているものや、
地色が黄色味がかったホワイトのものは好ましくない。

サイズ 体高
体高の上限はない。プロポーションが同じ場合は、大きい犬ほど好ましい。
体高の下限は  牡 : 77cm
体高の下限は  牝 : 72cm
しかしながら、全ての犬は下限を大幅に上回ることが好ましく、
牡は 81cm以上、牝は 75cm以上が好ましい。
欠点 上記の点からのいかなる逸脱も欠点とみなされ、
その欠点の重大さは逸脱の程度に比例するものとする。
軽度の欠点 切端咬合。前臼歯の欠歯。
重大欠点
  • 僅かでもオーバーショットになっているもの。
  • 断耳。
  • ウェーブの強い被毛やカールした被毛。
  • トップラインの中間辺りの被毛の長さが 6 cm未満或いは 12 cm以上のもの。
  • 耳に斑のないもの。
失格
  • 極端にシャイなものや、臆病なもの、攻撃的なもの。
  • 鼻や粘膜の色素欠乏。
  • ストリップ・ノーズ。
  • 極端なオーバーショットやアンダーショット。
  • トップラインの中間辺りの被毛が 4 cm以下のものや 13 cm以上のもの。
  • ホワイトが見られないもの。マズル、尾の先端、脚の下部にホワイトが見られないもの。
  • ホワイトの単色。マスクのないもの。
  • 目立たなかったり、他犬種との交雑を示唆したりするような拡散した斑。
  • 陰睾丸。
JAPAN KENNEL CLUB STANDARDS OF THE BREEDS Tenth Edition
全犬種標準書第10版 参照